「聞けば、大層お困りのご様子。お国の民のため、ここに居る弟子達が必ずその妖怪を下します。御心を安らかになさって下さい」 三人の弟子達から異口同音に不服のため息が漏れたが、三蔵の意志は固かった。 「悟空、八戒、悟浄、その妖怪を下しておあげなさい」 師匠の命令に悟空はうなずいた。 「お師匠さんがそう言うんじゃ仕方ない。八戒、俺と一緒に来い。悟浄は残って、お師匠さんを頼む」 「なんでおいらが兄貴と一緒なんだ。おいらが残ったって良いじゃないか」 口いっぱいに飯を詰めこんだまま、八戒が抗議したが、悟空はにやりと笑って返した。 「それだけ食ったんだ。食った分だけ働け。良い腹ごなしになるだろうよ」 文句を言いながらも、八戒は悟空のひと睨みには逆らえず、悟空と八戒はそれぞれの乗り物に乗って、王城を出た。 教えられた通り、西北へ向かうと、黒雲に覆われた山中に、おどろおどろしい城が建てられているのが見つかった。 「八戒、お前は山の中から城へ入る門を探せ。俺は城内を偵察して来る。サボるんじゃないぞ」 そう言い置くと、悟空はたちまち一匹の蜂に変じ、城に向かって飛んで行った。 (以下、つづく)
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